広島高校野球を愛するスージー

高校野球広島県大会を観戦して30年を語ります

広島高校野球観戦30年史5年目

圧倒的なチームが無く、混戦の夏大会の展望。有力チームは、昨年夏の全国レベル広陵を降し選抜出場した広島工、2年生エース佐竹(元カープ)と好打者尾崎が揃う広陵、県No.1左腕佐藤(元巨人)を擁する瀬戸内、強打者松本(元カープ)など。今大会の序盤の山は、3回戦広陵vs瀬戸内のカード。プロ注目の佐藤を広陵打線がどう攻略するかが注目されたが、初回に攻守センター木之内がゴロを逸らす間に3点挙げる。好投手佐藤の速球に苦しむも、4番尾崎のレフトスタンドに突き刺さる3ランで追いつくも、瀬戸内が再度逆転し、逃げ切る。勝ち上がった瀬戸内は、選抜出場広島工と

準々決勝で対戦。県を代表する広島工中崎と瀬戸内佐藤の県を代表する左腕の投手戦の上、広島工が逃げ切る。準決勝の宮島工戦でも、1点リードで最終回を迎え、逃げ切るかと思われたが、中崎が9回4点を奪われ、まさかの逆転負け。決勝は、宮島工vs祟徳という、どちらも打線が強力なカードとなった。試合は、初回に、前日の準決勝盈進戦で24点奪った祟徳が5点を先取する一方、宮島工打線を2回に6点を叩き出し、逆転するという荒れた展開に。ゲーム中盤に4番松本の2試合連続のレフトスタンドに突き刺さるホームランで逆転するも、1年生が4番捕手の松本が中心の強力打線で一気に7点奪い再逆転し、そのまま逃げ切り、甲子園初出場を成し遂げた。

ただ、甲子園では、組み合わせ抽選で、対戦相手が決まらない最後の出場となり、予選の勢いが止まったことと、2回戦の関西吉年(元カープ)に抑え込まれ、0-11の大敗となった。

広島高校野球観戦30年史4年目

後にプロ野球で活躍する選手が3人存在する高レベルの大会。

優勝候補筆頭は広陵高校。中井監督曰く、史上最強メンバー。エースは、福原(阪神)4番に二岡(巨人)という後にプロ野球で活躍する2人が投打の軸という強力メンバー。対抗は、今春選抜出場し、1勝した広島商。4番でエースの沢田が投打の軸。

優勝候補筆頭の広陵は3回戦で、新井(広島カープ)を4番に据える広島工。下馬評では、総合力の高い広陵有利。ただ、エースの福原が足を故障もあり、先発回避。控えの大谷が先発するも、広島工3点先制。今夏は、雨量が少なく、県内水不足の関係で、グランドに水分が殆ど無い状況下の中、内野ゴロが大きく跳ねる不運があった。これ以上、追加点を与えられない広陵は、エース福原、二岡の必勝リレーするも、広島工2年生左腕中崎を打ちあぐね、2-5の敗戦。優勝候補筆頭の広陵を破り勢いに乗る広島工は、4回戦の相手は西条農。4番新井がレフトスタンド弾丸ライナーのホームランを打つも敗戦となる。一方、選抜出場校の広島商は、準々決勝で、高陽東1年生右腕宗政に苦しむも、打ち勝ちながら決勝進出。一方、下馬評が高くはなかった山陽高校がサイドスロー長門と好打者宮原を中心に接戦をものにし、決勝進出。戦前の予想では、広島商有利だったが、初回に山陽高校打線がエース沢田から5点を先取し、ゲームを有利に運ぶ展開に。終盤、広島商打線が追いすがるも、序盤の失点が痛く、11ー7で山陽高校2度目の甲子園出場となる。

しかし、甲子園初戦の盛岡四にエース長門がつかまり、序盤で3点先制される展開。追いすがるも序盤の失点が痛く、3ー6の1回戦敗退。

二岡、福原擁し、全国でも上位を狙えた広陵高校だったが、甲子園で見ることが出来なかったのが、残念。一発勝負の厳しさと、夏にピークを持って来ることの難しさを感じた。

 

 

 

広島高校野球観戦30年史3年目1993年夏

今大会の優勝候補は、祟徳高校。前年秋の中国大会に優勝し、選抜大会に出場した。優勝候補の一角の前評判ながら、大会準優勝した大宮東高校に3-5の初戦負け。雪が舞う中、後に、阪神で活躍した平尾の先頭打者ホームランが響いた。

祟徳高校は、4番の竹村を中心とし、山田晋平までの強力打線が特徴。準々決勝で、前年準優勝広島商、前年優勝校の広島工を破り決勝戦の相手は西条農業。下馬評での評価は高くないこともあり、これは春夏連続で甲子園出場が予想された。ただ、試合はもつれる展開に。序盤リードするも勢いのある西条農に逆転されるも5番強打の2年生山田晋平が8回に弾丸ライナーでレフトスタンドに突き刺さるホームランでリードを奪い、そのまま逃げ切るかと思われた最終回9回の表。西条農業最後に意地を見せ、四球や安打で繋ぎ、ノーアウト満塁から4番ピッチャー此本が起死回生の満塁ホームラン。そのまま逃げ切り、西条農が2回目の甲子園出場を果たす。ホームランを打った此本の涙が印象的。まさかの逆転負けした祟徳高校竹村の悔し涙も印象に残る。

甲子園での初戦は、堀越高校堀越高校監督は、桑原監督。西条農小田監督とは、1982年夏の準優勝した時の監督と選手という因縁の師弟対決。県予選では、かなり打ち込まれた此本だったが、予想外の好投で1失点に抑えるも、逆に県予選で強力だった打線が振るわず0ー1の完封負けという、予想外のスコアでの初戦敗退で終わる。

 

広島高校野球観戦30年史2年目1992年の夏

今夏大会の優勝候補筆頭は、昨年度春選抜優勝校の広陵高校。今春も選抜に出場し、昨年レギュラーの塩崎、篠原など投打の中心メンバーが数多く残るチーム。だが、エース塩崎の熱中症等による不調により、廿日市高校にまさかの敗退。

勝戦は、広島商vs広島工。広島商は、選抜出場校。エース森田、大型遊撃手の光元を中心のバランスの取れたチーム。一方で、広島工は、トップバッターの平本を始め、向井、新井、加藤が中心の打撃力の高いチーム。森田の立ち上がり(いつも立ち上がりが悪い)を攻め、2点を先制されるも、立ち直ると強力打線の広島工も打ちあぐねる展開に。一方、広島工エース片岡は、球速は無いもの決め球シンカーを武器に、ランナーを置きながらも粘り強い投球。両者の投げ合いは、延長15回までもつれる大接戦。

延長15回の大接戦の末、広島工のサヨナラ勝ち。

 

甲子園では、仙台育英、桐陽、明徳義塾(松井の5打席連続敬遠騒ぎ次戦)突破し、エース宮地(西武)擁する尽誠学園に完売するもベスト8まで進出。

後に、今チーム主将の加藤は、長崎海星高校野球部監督で、甲子園出場。

 

広陵は、昨年度春選抜優勝したメンバーよりも強力だったが、勝ち上がれなくて残念。甲子園で見たいチームだった。

この年、光元(広島商)向井(広島工)の大型遊撃手は、プロに進んでもおかしくない大型遊撃手だった。

 

 

広島高校野球観戦30年史1年目1991年の夏その2

初めての観戦は、1991年夏の県大会準決勝、広陵高校vs広島工業。会場は旧広島市民球場広陵高校は、その年の春選抜の優勝校。戦前の予想では広陵優位かと思われたが、広島工エース久木野の躍動感溢れるフォームからの変化球を打ちあぐね、まさかの完封負け。

 

一方、選抜出場した坂本、野宮の後に大阪ガス三菱重工三原で活躍した大型バッテリーを破って勢いに乗る西条農業。

 

勝戦は、選抜出場校を破り、勢いに乗る西条農vs広島工。試合は、広島工が初回2点先制するも、久木野を早々3回で攻略した西条農業が逆転し、甲子園初出場を果たす。

西条農の4番捕手は磯部。後に、初代楽天イーグルス選手会長兼主将。エース堀は左腕から130キロ後半のストレートとキレキレの変化球。この強力バッテリーを率いたのは、小田監督(広島商業時代は甲子園準優勝。海田高校時代は広陵にコールド勝ち、総合技術時代は、2年連続で広陵高校との決勝での大激戦の末、準優勝。後に同校を選抜出場に導く。現在は、尾道商業校長先生)

 

初出場の甲子園では、初戦で名門東北高校と対戦。後に巨人に入団した羽根川投手と堀投手との投手戦の末、延長戦でサヨナラ勝ち。2回戦で後に日ハムで活躍した荒井投手擁する我孫子高校と対戦。磯部捕手がバックスクリーン本塁打放つも惜敗。

県大会、甲子園で大活躍した堀投手ですが、何故かミュージシャンに進んでしまう…。

 

広島高校野球観戦30年史1年目1991年の夏

高校野球を観戦始めたのが、30年前の1991年夏の広島県大会準決勝広陵vs広島工業。広陵高校は、その年、春選抜優勝校。仕事休みで、そごう買い物ついでに、軽い気持ちで、旧広島市民球場に足を運んだ。

高校の部活に500円の入場料が発生することに違和感を感じながら、入場して瞬間、雰囲気に圧倒された。名門校ならではのプレーレベルの高さを生で見て実感したことよりも、両校スタンドの応援団の迫力に圧倒された。ブラスバンドに合わせて、統率された控え部員のパフォーマンスがカッコ良さに魅了される。この子達は、グランドでプレーしたい思いがありながら、自分の役割を全うしていると感じさせられる程のハイクオリティ。

一方で、常に中心でありたい、目立たないと嫌だという思いが強かった自分を恥ずかしく思えた。考え方を改めさせられながら、心打たれて涙が出た。

この日から、高校野球との長い付き合いが始まる。

今大会の試合展開などは、次回に…。